研究課題/領域番号 |
12770568
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大嶺 謙 自治医科大学, 医学部, 助手 (90316521)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | エリスロポエチン / 転写因子 / GATA / L-NMMA / H_2O_2 / HIF-1 |
研究概要 |
GATA-2転写因子はヒトErythropoietin(Epo)遺伝子のプロモーター上に存在するGATA配列を介してEpo遺伝子の発現を負に調節している。また、HIF-1転写因子は同遺伝子のエンハンサー領域に結合し遺伝子発現を正に調節している。この事実をふまえ以下の研究を行い結果を得た。 1)慢性腎不全患者血清中で増加が指摘されているNOS拮抗阻害物質であるN^G-monomethyl-L-arginine(L-NMMA)によりヒトHep3B細胞におけるEpo発現が抑制される。この場合NO・cGMP産生は阻害され、GATA-2転写因子のmRNA発現量、DNA結合活性が増加している。さらに、これらのL-NMMAによる諸作用、すなわちGATA-2転写因子の発現の増加およびEpo遺伝子の発現低下等の現象はL-アルギニン投与により消失した。このことから、L-アルギニンの腎性貧血治療における有用性が示唆された。 2)H_2O_2はEpo遺伝子発現を抑制する。この現象は、HIF-1α鎖の不安定化およびGATA結合活性の亢進によるものと思われた。 3)Epo遺伝子の発現調節機構についてさらに深く理解するため、トランスジェニックマウスあるいはEpo欠失マウスの作成を念頭に入れてマウスのEpo遺伝子の構造、機能について解析を進めた。その結果、マウスのEpo遺伝子プロモーター上には、ヒトEpo同様にプロモーターと同様にGATA配列の存在が認められた。更に、マウス遺伝子においてもGATA-2転写因子がGATA配列を認識し、Epo遺伝子を負に調節していることが明らかになった。このことから、種を越えてGATA-2転写因子がEpo遺伝子発現に関わっていることが明らかになった。
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