研究課題/領域番号 |
12770604
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小松 克 徳島大, 医学部, 助手 (20304503)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | fetal alcohol syndrome / cerebral cortex / glia limitans / nestin / GFAP |
研究概要 |
SDラットに妊娠10日から20日まで5%(w/v)エタノールを含む液体飼料を与え、胎児性アルコール症候群(FAS)ラットを作製した。妊娠21日に胎仔を取り出して固定し、脳を取り出した。前頭断パラフィン切片を作製して組織学的検索を行った。また、一部の母獣には出産・育仔させ、仔を7週齢で灌流固定し、脳を取り出して組織学的検索を行った。 放射状グリア細胞のマーカーであるnestinの免疫染色では、胎生21日のFASラットの大脳表面で、nestin陽性放射状グリア細胞の終足が異所性細胞塊の直下で消失し、glia limitansが欠損していることが明らかになった。また、異所性細胞塊の内部にもnestin陽性の線維が認められ、異所性細胞塊を形成する細胞が放射状グリアに沿って移動してきたと考えられた。異所性細胞塊の周囲にはglia limitansは認められなかった。 7週齢FASラット大脳でも大脳表面に異所性細胞塊が認められた。アストロサイトのマーカーであるGFAPの免疫染色では、異所性細胞塊の直下で、胎仔と同様にGFAP陽性のglia limitansが消失していた。また、胎仔とは異なり、異所性細胞塊内に強いGFAP陽性反応が認められ、異所性細胞塊の周囲にもGFAP陽性のglia limitansが認めれた。 以上より、FASにおける異所性細胞塊は、放射状グリアの終足によって形成されるglia linitansの欠損部より放射状グリア線維が髄膜腔に伸び、それに沿って神経細胞が移動することで形成されると考えられた。また、胎仔期に形成された異所性細胞塊が生後も残存していることで、ヒトFASでみられる学習障害や行動異常に関係していると思われる。
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