研究課題/領域番号 |
12770619
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 孝子 自治医大, 医学部, 助手 (90296103)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | バゾプレシン / アクアポリン-2 / バソプレシン受容体 / SIADH |
研究概要 |
雄性SDラットにバソプレシン(AVP)V_2アゴニストdDAVP(5ng/h)を浸透圧ミニポンプで投与、食餌を液体食として実験的にSIADHラットを作製した。対照群(dDAVP excessラット)はdDAVP投与と固形食で作った。SIADHラットでは、2日目以降120mEq/l以下の低Na血症を認め、尿浸透圧は800-900mOsm/kgH_2O(対照、3000-3200mOsm/kg H_2O)に低下し、尿濃縮力低下を認めた(AVP escape現象)。腎集合尿細管細胞でのAVPの受容体結合能は、両群のラットとも対照の60%程度に、AVP V_2受容体mRNA発現も25-40%まで著しく低下した。水チャネルアクアポリン-2(AQP-2)mRNA発現はSIADHラットで有意に減弱していた(2日目:183%vs.298%;7日目:154%vs.324%,P<0.05)。AQP-2蛋白発現も同様であった。細胞内情報伝達物質であるcAMPの組織内濃度はSIADHラット、dDAVP excessラットともに増加しておらず、またAVP反応性も著しく低下した。2群のラットではAQP-2蛋白の管腔側細胞膜への細胞内traffickingを認めるが、両群間での有意差はみられず、AVPによるAQP-2のshort-term調節系は影響されない所見と考えられた。SIADHラットでは、体液量増加に伴う細胞容量変化あるいは血漿浸透圧の低下自身が、直接腎の受容体以降のAVPシグナル伝達系を修飾して、AVP escapeにつながる尿濃縮減退をもたらすことが示唆される。この変化がAQP-2自身の転写調節によるものか、今後引き続き検討したいと考えている。
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