研究課題/領域番号 |
12770635
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
村尾 孝児 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20291982)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | HDL / HDL受容体 / reverse cholesterol transport / 血管平滑筋細胞 / IFN-γ / コレステロール / 動脈硬化 / 血小板 / CLA-1 |
研究概要 |
血中HDLレベルと動脈硬化性疾患とが逆相関すること、および多くの研究成果よりHDLが抗動脈硬化作用を有することが報告されている。HDLの抗動脈硬化作用は、末梢よりコレステロールを引き抜く(reverse cholesterol transport RCT)によっている。そこで第一の目的は、動脈硬化病変を形成する細胞群にHDL受容体の存在を証明することである。今回は血管平滑筋細胞を使ってHDL受容体の発現を確認して、また様々なサイトカインが動脈硬化に関与することが報告されていることより、HDL受容体発現に及ぼす影響についても検討した。その結果、血管平滑筋細胞にHDL受容体が発現されており、IFN-γにより発現が減弱することをつきとめた。またヒト血小板を分離し、細胞表面のHDL受容体の発現をFACSにて定量化した。さらに動脈硬化性疾患を有する患者および年齢を合わせた健常人における血小板内のコレステロールエステルおよび遊離コレステロールの測定をした。またレーザ散乱粒子計測型血小板凝集能測定装置を使用して血小板の微量な凝集能について検討した。その結果、血小板表面にHDL受容体が発現されており、発現量はコレステロールエステルおよび凝集能と逆相関を示していた。また動脈硬化性疾患を有する群において有意にHDL受容体の発現が低下しており、動脈硬化疾患とHDL受容体の発現には密接な関係があった。以上の結果より、HDL受容体は動脈硬化を形成する細胞群に発現されており、動脈硬化巣形成に重要な役割を担っていることが推察された。またscavenger receptorのfamilyであるSRAが血管平滑筋細胞に発現されており、血管平滑筋細胞の増殖因子であるGas6によって誘導されることが判明した。またその情報伝達はAktであることが判明した。今後、血管平滑筋細胞にHDL受容体の役割、特に動脈硬化症との関係において重要な知見が得られた。
|