研究課題/領域番号 |
12770646
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
加藤 博史 国立感染症研究所, 安全性研究部, 研究員 (00214396)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 単球 / マクロファージ / オキシステロール / 細胞増殖抑制 / 動脈硬化 |
研究概要 |
これまでのマウス由来マクロファージクローンを用いた検討では、細胞膜表面に持続的にoxysterolを発現するクローンと全く発現しないクローンとが見出されたが、それらのクローンにおけるoxysterol発現量を調節する因子は未だ見つかっていない。そこで今年度は、これらのクローンについて、細胞表面抗原の発現、サイトカイン産生能をインターフェロン-γ(IFN-γ)あるいはリポポリサッカライド(LPS)による刺激の前後について詳細に検討し、oxysterolの発現と相関する因子を探索した。細胞表面抗原はクラスII抗原(H-2^d)、Mac-1、CD40、B7-1/-2等についてFITC標識抗体を用いたFACS解析を行った。サイトカインはIFN-γ、LPS刺激前後のマクロファージ培養上清中IL-1、IL-6、IL-12、TNF、GM-CSF,をELISA法を用いて測定した。クラスII抗原の発現量はクローン間で大きく異なり、IFN-γによって発現が誘導されるものとそうでないものが見いだされた。しかし、クラスII抗原の発現量とoxysterol発現量の間に相関はみられなかった。Mac-1、CD40、B7-1/-2はすべてのクローンで検出され、クローン間に発現量の差はみられたがoxysterol発現量との間で相関するものはなかった。サイトカインはすべてについて無刺激のマクロファージクローンの培養上清には検出されず、1L-1、IL-6、TNF、GM-CSFはLPS刺激によってすべてのクローンで産生が確認されたが特にGM-CSFにおいて産生量がクローン間で大きく異なった、IFN-γによる前処理はLPS刺激後のサイトカイン産生を増加させた。IL-12はLPS単独の刺激で産生するもの、IFN-γとLPSで刺激することで初めて産生するもの、IFN-γとLPSでの刺激後も産生しないもの、の3種類に分かれた。しかしこれらのサイトカイン産生のパターンとoxysterol発現量の間に相関はみられなかった。以上の結果から、マクロファージにおけるoxysterolの発現は細胞表面抗原の発現あるいはサィトカイン産生の調節とは独立した機構で調節されていることが示唆された。
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