研究概要 |
生体内生理活性物質を用い、作用特異性が高く、副作用の少ない抗癌剤および免疫抑制剤の開発を目的とする。具体的には、 (1)RNA分解酵素であるRNaseとEGFおよびRNaseとIL-2のrecombinant蛋白を作製する。 (2)in vitroにおいてRNase-EGFおよびRNase-IL-2 recombinant蛋白のEGFR過剰発現細胞とIL-2R過剰発現細胞に対する殺細胞効果を検討する。 (3)in vivoにおいて小動物癌転移モデルおよび移植モデルによるRNase-EGFおよびRNase-IL-2 recombinant蛋白の殺細胞効果、免疫抑制効果を検討する。 RNase familyのなかで、RNase4,ECP,-4ECPについてEGFおよびIL-2とのrecombinant蛋白を作製し、in vitroでの殺細胞効果を比較検討する。 平成12年度は,RNase-EGFおよびRNase-IL-2融合蛋白の作製を行った。製造にあたっては遺伝子工学的手法を用いた。RNase遺伝子はRNase,4ECP,-4ECPの3種類を使用した。それぞれプラスミドpBO61,pBO106,pBO292(岡山大学工学部 妹尾晶治博士より恵与)より切り出し、PCRにより増幅する。EGFおよびIL-2遺伝子はそれぞれプラスミドpADH59,pTCGF11より抽出し、プラスミドpET30b+中にこれらDNAをライゲーションを行った。今後は、発現宿主として大腸菌を使用し、上記発現ベクターで形質転換を行い、培養後、colony PCR法を用いて正しく形質転換されたコロニーを分離し、シークエンスを確認後、発現蛋白の分離、精製を行う。 その後、RNase-EGFおよびRNase-IL-2融合蛋白のin vitroでの殺細胞効果の検討を行う予定である。
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