研究概要 |
臓器移植に対して新たな移植概念が必要とされている。現在,胚性幹細胞Embryonic stem cell(以下ES細胞)を用いて、新たな移植細胞(臓器)をin vitroで作製しようとする研究がなされている。ES細胞とは哺乳類の受精卵,胚盤胞の内部細胞塊から樹立された細胞で,一個体を形成する全ての細胞になる能力を持った細胞である,この細胞に肝細胞成長促成因子(Hepatocyte Growth Factor以下HGF)を導入し一定期間培養した後、マウスの切除後の残存肝に移植する。この細胞が増殖,分化し,肝細胞になり得れば、肝移植の分野に新たな方法を堤示できると考える。 Rat HCF cDNAを含むplasmidを大阪大学医学部附属バイオメディカル教育研究センター腫瘍生化学研究部,中村敏一先生の許可をいただいた後,理化学研究所ジーンバンクDNA開発銀行より入手し,大腸菌DH5αに導入する.QIACEN Plasid MAXI kitで大量に作成、精製する。塩基配列を確認し、適切な制限酵素サイトを検索し以下のプラスミドに結合させる。FLAG配列のマーカー配列を含み、哺乳類細胞内で強力に発現するプロモーターを持つプラスミドDNA(CMV-Flag等)を購入する。上記で作成したHGF cDNAをマーカー配列と蛋白がFusion出来るようにFrameを合わせてRapid Ligation Kit(Boehring社)を用い結合させる。大腸菌DH5αに導入し、LB培地で培養し、Magic miniprep kit(Wizard社)でDNAを抽出し、正しい方向の大腸菌クローンをQIAGEN Plasid MAXI kitで大量に作成、精製する。現在、多少変更を加えてこの導入遺伝子を作製中である。
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