研究概要 |
1.過冷却保存の基礎実験として、4.0℃保存時の肝類洞内皮細胞障害の検討 ラット肝において肝組織血流が動脈結紮により如何に影響するか、類洞血流が部位別に生理的に如何に異なるか、またラット肝冷保存時、類洞の如何なる部位が障害されるかをLewis系雄性ラット(体重200〜300g)を用い組織学的にZone1、Zone2、Zcme3に分けて検討した。 Zone別肝類洞血流速度 肝類洞血流速度はzone1、zone2、zone3の順に血流が増加しており、肝動脈結紮後も同様な所見が得られた。又各zone間に有意な差があり、肝動脈結紮後においても同様な所見が観られた。 類洞内皮細胞の経時変化 zone1では6時問後より類洞内皮細胞の核の濃染化を認め、24時間後にはzone3でも認められる。類洞の狭小化も6時間後より現れ、最初に障害される部位はzone1であった。 2.過冷却保存時の虚血再灌流障害の検討 -0.5℃と4.0℃でラット肝を保存し、0,12,24時間でのATP量と、ルシフェリン-ルシフェラーゼ活性を用いた活性酸素発生量を測定し、比較検討した。 類洞内皮細胞の経時的変化 4.0℃保存では6時間後より類洞内皮細胞の核の濃染化と類洞狭小化を認めたが、-O.5℃保存では12時間後から変化が認められた。 ATP量の変化 -0.5℃保存においてと4.0℃に比較して有意に高値を維持した。 活性酸素の変化 -0.5℃保存においてと4.0℃に比較して有意に低値を示した。
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