研究概要 |
サイトカインであるIL-_1(inter leukin-_1),Il-6,IL-_<10>,TNF-_α(tumor necrosis factor-_α),TGF-β(transforming growth factor-β),ケモカインであるIL-8,細胞接着因子であるVCAM-_1(vasucular cell adhesion molecule-_1),E-セレクチン(Endothelial-leukocyte adhesion molecule-_1),成長因子であるbFGF(basic fibroblast growth factor),細胞外マトリックスである膠原線維Procollagen Types I and III,IV及びFibrinogenなどの血管攣縮に関与すると予想される物質の動態を定量化した。上記の炎症関連物質のうち、イヌ遺伝子の塩基配列が既知の物質はその配列を解析に用いた。イヌ遺伝子の塩基配列が未知の物質においては、ヒト遺伝子とその他生物の遺伝子(例:ラット)の塩基配列を比較し、両者において相同性の高い部分の塩基配列のdegenarate primerを作成し、プライマーを作成した。摘出した脳主幹動脈よりtotal RNAを抽出し、逆転写酵素とオリゴ(dT)プライマーを用いてcDNAを合成した。これを鋳型とし、Real-time quantitative PCRを施行し、正常血管と攣縮血管での炎症関連物質遺伝子の発現量の違いを定量した。この結果、攣縮血管では、IL6,IL8,ICAM_1,collagen type_1で有意差をもって、正常血管より増加していた。これらのことは、攣縮血管で炎症反応がおこっていることを示しており、これらを抑制することで、攣縮を予防できる可能性が示唆された。
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