研究課題/領域番号 |
12770774
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
横田 千晶 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (80300979)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | cyclooxygenase-2 / focol ischemia / PET / primate / 局所脳虚血モデル / 霊長類 / 脳血流量 / 脳糖代謝率 |
研究概要 |
1.サル血栓塞栓性モデルの確立。 カニクイザルの左内頸動脈への自家血餅注入により、局所脳虚血モデルを作成した。血餅注入1時問後、左側頭葉、左基底核の脳血流量は、12-15ml 100g^<-1>min^<-1>以下(対側の40%未満)となった。24時間後、同部位の脳血流量、脳糖代謝率は低下し、TTC染色にて組織障害を確認した。左頭頂葉では、1時間後の脳血流量は、対側の40%、24時間後には60%となった。24時間後の左側頭葉には組織障害はなく、脳糖代謝率は対側と同様に保たれていた(脳血流量と脳糖代謝率のuncoupling)。本モデルでは、血餅注入側の側頭葉、基底核が虚血中心部、頭頂葉が梗塞周囲のペナンブラと考えられた。 2.上記モデルを用いて、非虚血(3匹)、2時間(3匹)、24時間虚血(3匹)における脳組織でのcyclooxygenase-2(COX-2)の発現を、分子生物学的手法を用いて調べた。 1)COX-2mRNAの発現:非虚血群、虚血群の非虚血側では、COX-2mRNAの発現の増強はなかった。2時間虚血群は、虚血側の側頭葉および頭頂葉皮質でCOX-2mRNAの発現は有意に増強し(発現比:側頭葉7.4、頭頂葉4.7)、24時間虚血群では、虚血側の頭頂葉皮質で増強(発現比:4.5)、虚血側の側頭葉皮質では増強はなかった。 2)COX-2蛋白:虚血側の側頭葉および頭頂葉皮質でのCOX-2蛋白は、主に神経細胞に発現していた。 3)2時間虚血群に対して組織障害、24時間虚血群に対して、脳血流代謝測定(PET)と組織障害の検討を行い、1と同様の結果を得た。 3.結論:サル局所脳虚血モデルを用いて、虚血後の脳循環代謝とCOX-2発現との関連を明らかにした。COX-2は、虚血24時間までは主に神経細胞に発現し、虚血2時間後では、虚血中心部およびその周囲(ペナンブラ)、24時間後では、脳糖代謝率が保たれているペナンブラ領域での発現が増強していた。COX-2は、ヒト脳梗塞発症後の細胞障害および修復過程いずれの病態に対しても、修飾している可能性がある。
|