研究課題/領域番号 |
12770776
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
片岡 浩介 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 助手 (20262074)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | リウマチ性関節炎 / 抗リウマチ性金製剤 / ヘムオキシゲナーゼー1 / 抗酸化ストレスタンパク質 / グルタチオン / 転写因子 / 活性酸素 |
研究概要 |
金(Au)を含む抗リウマチ薬Auranofin、Aurothioglucose、Aurothiomalateは、転写因子AP-1およびNF-κBの活性を抑制することによって、TNF-α、Interleukin-1、Inteneukin-6などの炎症性サイトカインの発現を転写レベルで抑制し、その抗炎症作用を発揮すると考えられてきた。 一方、われわれは、抗リウマチ性金製剤の転写因子に対する全く逆の効果すなわち、幅広い種類の細胞において転写因子bzip型転写因子Nrf2の転写活性が特異的にかつ非常に強く活性化されることを見い出した。Nrf2が活性化されることにより、heme oxygenase-1やグルタチオン合成酵素であるγ-glutamylcysteine synthetaseなどの一連の抗酸化ストレスタンパク質群の発現が誘導されることをまずあきらかにした。これらのタンパク質群は、リウマチを含む炎症反応において重大な役割を果たしている活性酸素を除去するはたらを持ち、抗炎症作用があることが近年あきらかにされつつある。したがって、Nrf2を介した抗酸化ストレスタンパク質群の発現誘導は、これらの薬剤の抗炎症作用の少なくとも一部を担っているものと思われる。 また、Nrf2は各種の酸化ストレスを細胞に与えることにより誘導されることが近年あきらかにされつつあるが、抗リウマチ性金製剤によるNrf2の活性化のメカニズムは酸化ストレスによるものとはあきらかに異なることを見い出した。すなわち、酸化ストレスは、細胞内のストレス感受性因子を介してNrf2の核内への移行を促進するが、金製剤はこの活性化に関わるステップのいずれかを短絡できるらしい。その分子機構の解明はあらたな抗リウマチ薬の標的として有効である可能性があり、引き続き探究すべき課題であると思われる。
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