研究課題/領域番号 |
12770783
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
朴 允三 (松井 允三) 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60304094)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 低出力超音波 / プロスタグランディン / 骨髄細胞 / 骨折 / 再生医療 / 軟骨細胞 / 偽関節 / 超音波治療 |
研究概要 |
腹部などの臨床診断に利用されている超音波照射が骨折の偽関節治療に有効である。また、超音波照射は臨床において通常の骨折治癒も促進する。そこで、超音波照射が骨折治癒過程に及ぼす影響を培養骨芽細胞を用いて解析した。骨芽細胞に超音波を照射すると、PGE2(プロスタグランディンE2)の産生が増加することを見出した。同時にPGE2の産生はCOX-2を介する系であることも証明した。一般に、骨折後早期にはPGE2を介する炎症が、骨折治癒開始を促すとされている。したがって、超音波照射はPGE2を介して骨折治癒を促進している可能性があることを示した。すなわち、骨芽細胞(細胞)に超音波照射(機械的刺激)を加えることにより組織修復の環境を作製することが可能になることを証明した。さらに、われわれが作製したラット偽関節モデルに対して臨床で用いられている条件で低出力超音波を照射することにより、約70%の症例で骨癒合が得られた。組織像を詳細に検討することにより、骨芽細胞だけでなく、骨髄細胞にも超音波が作用しその分化に影響する可能性が示唆された。興味深いことに、超音波照射により未分化間葉系細胞が軟骨細胞へ分化しさらに骨化していることから、正常な内軟骨性骨化の過程を示していた。本研究により、再生医療において非常に注目されている骨髄細胞の分化に対して、機械的刺激の一つである超音波が重要な役割を果たす可能性があり、今後の組織(骨、軟骨)の再生に全く新しい手法となる可能性がある。
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