研究課題/領域番号 |
12770787
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 春彦 広島大学, 医学部, 助手 (30274062)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 生体力学 / シミュレーション / 歩行 / 大腿四頭筋筋力 / 関節モーメント |
研究概要 |
高齢の骨粗鬆症患者に多く見られる円背は、歩行姿勢に変化をもたらし歩行時の下肢の負担も変える。この研究では、脊柱の前弯によって引き起こる歩行の変化と下肢の筋力低下の関係を検討した。 研究はカナダのカルガリー大学(平成12年)と広島大学(平成13年)の2施設で行った。カルガリー大学では、骨粗鬆症患者を含む50歳以上の女性13名(骨粗鬆症患者6名、健常人7名)を対象にした。広島大学では60歳以上の健康な高齢者20名(男性9名、女性11名)を対象にした。計測は、施設によって機器の違いはあるものの、脊柱の前弯、最大膝伸展筋力、下肢関節可動域、動作解析装置を用いた下肢関節モーメントの計測を行った。 計測の結果、歩行時に体幹が前傾姿勢をとる者ほど、膝伸展モーメントが増大することがわかった。また、これは脊柱の前弯の程度や骨粗鬆症の有無に影響を受けないばかりではなく、股関節、膝関節、足関節の関節可動域とも、最大膝伸展筋力とも関係なく独立して起きていた。 膝関節の負担を増大させるような、歩行時の体幹の前傾がなぜ起こるのか、その原因は今回の研究では明らかにできなかった。しかし、筋力の低下や脊柱の変形とは関係がないという今回の結果から予測すると、中枢による運動制御の関わりが強いのではないかと考えられた。 以上の考察から転倒を予防する運動療法を考えた場合、一般的に行われている筋力強化運動では歩行時の姿勢を改善する効果は得られないと思われる。むしろ、直立した姿勢を意識して歩かせたり、適切なフィードバックを与えるなどして行う歩行練習の方が、歩行姿勢の改善には有効であるかもしれない。
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