研究課題/領域番号 |
12770791
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
川口 哲 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80315499)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 免疫療法 / 悪性軟部腫瘍 / 遺伝子転座 / 滑膜肉腫 / SYT-SSX / 合成ペプチド |
研究概要 |
1.SYT-SSX合成ペプチドの作製:SYT-SSXのアミノ酸配列のうち、日本人に最も多いHLA-A24と結合する領域を同定した。SYT-SSX転座領域よりSS391ペプチド(PYGYDQIMPK)とSS393ペプチド(GYDQIMPKK)を合成し、SSX領域よりSS449bペプチド(AWTHRLRER)とSS4496ペプチド(AWTHRLRERK)を合成した。 2.HLA-A24テトラマーによるペプチド特異的CTLの検出:HLA-A24/ペプチドテトラマーを作製した。HLA-A24陽性の症例(滑膜肉腫16例、滑膜肉腫以外の骨軟部肉腫患者10例、健常者10例)を解析の対象とし、テトラマーと反応するTリンパ球をFlowcytometoryを用いて検出した。健常者では0例、滑膜肉腫以外の骨軟部肉腫患者では1例においてTリンパ球がテトラマーと反応していた。滑膜肉腫患者16例の解析では、遠隔転移の既往歴または現病歴がある9例中6例において、テトラマーと反応するTリンパ球が高頻度(0.25%以上)に存在した。 3.合成ペプチドによるCTLの誘導:滑膜肉腫患者4例の末梢血から、(SS391+393)ペプチドまたは(SS449a+b)ペプチド刺激によるCTL誘導を行った。HLA-A24/ペプチドテトラマーと反応するTリンパ球が高頻度に存在する滑膜肉腫患者2例よりCTLが誘導された。CTLはペプチド特異的にC1R-A^*2402細胞を殺傷した。また、SYT-SSX遺伝子とHLA-A24の両方を発現する滑膜肉腫株(Fuji、HS-SYII)を殺傷した。 以上の結果より、滑膜肉腫患者では遠隔転移に伴いSYT-SSXペプチドを認識するTリンパ球が増加し、ペプチド刺激によりCTLを誘導できることが明らかとなった。
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