研究概要 |
1.エンドセリンがアナフィラキシーショック発症後早期にみられる気管支痙攣にどの程度関与しているかをウサギの全身型凝集性アナフィラキシーモデルを用いてin vivoで検討した。【方法】第一段階:エンドセリン投与20から10分前に生理食塩水およびエンドセリンの阻害薬であるBQ610を投与した群を比較しBQ610の有効性を調べた。第二段階:アナフィラキシー惹起20から10分前に生理食塩水およびBQ610を投与した群を比較し,エンドセリンのアナフィラキシーショックへの関与を調べた。第一段階ではエンドセリン投与から,第二段階ではアナフィラキシー惹起から45分にわたり気道抵抗(RL),動肺コンプライアンス(Cdyn),心拍数(HR),平均動脈圧(MAP)および中心静脈圧(CVP)を持続的に観察した。【結果】第一段階:BQ610投与群は生理食塩水投与群より有意にMAPが低値を示した。第二段階:RLおよびCdynとも群間で有意差は認められなかった。【結論】エンドセリンは,ウサギの全身型凝集性アナフィラキシーにおける気管支攣縮の発症に大きな関与はないと考えられた。 2.静脈麻酔薬であるプロポフォールが吸入麻酔薬と同様に気管支拡張作用を有しているか否かをウサギの全身型凝集性アナフィラキシーモデルを用い,その気道抵抗および動肺コンプライアンスを測定することによりin vivoで検討中である。比較する吸入麻酔薬としてはセボフルランを使用している。
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