研究課題/領域番号 |
12770846
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
谷本 賢明 兵庫医大, 医学部, 助手 (50309481)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ハロタン / c-fos / 脊髄後角 / α_2-アドレナリン受容体 / デクスメデトミジン / 術後痛モデル |
研究概要 |
1、モデルでのFos発現について ラットの一側足底に切開を入れる刺激により、それに対応するL4、L5脊髄後角のI〜VI層でFos発現を認めた。これは、カラゲニンやCFA、ホルマリンと言った化学物質による末梢炎症モデルと同様に切開モデルが侵害刺激による脊髄後角での神経細胞の活性化が起こることを示している。また、このモデルは化学物質による末梢炎症と違い、手術手技に準じているためこのFos発現は、手術時の刺激に対する反応に対応すると考えられる。 2、デクスメデトミジン投与によりFos発現が抑制されたことについて デクスメデトミジンを切開前に髄腔内投与することによって、脊髄後角でのFos発現は用量依存的に減少した。これは脊髄性のα2-アドレナリン受容体を介し、侵害刺激による後角ニューロンの活動を抑制したためと考えられる。また、切開前に投与し効果が得られたことから、preemptive analgesiaの薬剤としても有用であると考えられる。 3、ハロタンによる麻酔維持によりFos発現が抑制されたことについて ハロタンを切開後2時間麻酔維持することにより、脊髄後角でのFos発現は有意に減少した。これは、切開の刺激によるFos発現の抑制ではなく、術後のhyperalgesiaによるFos発現を抑制したと考えられる。 4、混合投与によりさらにFos発現が抑制されたことについて ハロタンの麻酔機序というのはまだわかっておらず、様々な受容体との関与を示す報告がある。今回はα2-アドレナリン受容体作動薬との作用を調べたが、単独投与に比べてFos発現はやや減少した程度であり、またα2-アドレナリン受容体を介して鎮痛作用を生じる報告もないことから、各々が独立した経路による相加的なFos発現の抑制と考える。
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