研究課題/領域番号 |
12770855
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有賀 誠司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90322057)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | renal proximal tubule / kidney stone / citrate transport / NaDC-1 / metabolic acidosis / 尿路結石 / 低フエン酸尿症 |
研究概要 |
研究1.外来にて再発性尿路結石患者に対し尿中クエン酸排泄を測定し(測定はSRL社に依頼した)、クエン酸排泄量が200mg/day以下の患者の中から遠位尿細管性アシドーシス、低カリウム血症、過食塩摂取患者を除外し、特発性低クエン酸尿症と思われる症例より血液を採取し、白血球DNAを抽出した。Genomic geneの腎尿細管クエン酸トランスポーター、NaDC-1のexonのみPCRにて増幅したのちdirect sequenceを行い(サワデーテクノロジーに依頼)遺伝子配列を検討した結果、exon 12に遺伝子異常(A→G)を見いだした。これらの遺伝子変異により共にアミノ酸の変異も生じることが判明した。再発性尿路結石患者においてこの遺伝子異常と尿中クエン酸排泄量とのあいだにどのような関係があるか現在検討中である。 またmutagenesis kitによりNaDC-1 mutated DNAを作成した。これをアフリカツメガエルの卵に発現させ,(^<14>C)Citrateの取り込みをwild type DNAを発現させたものと比較検討してみる。 研究2.低クエン酸尿症を呈するラットが実際に腎結石を形成するか否かを調べるために、酸を慢性負荷により低クエン酸尿症ラットのモデルを作製しVitamin D_3を投与することにより腎結石に生成の有無を検討した。酸負荷+Vitamin D3を投与したラットにおいては低クエン酸尿を呈し腎結石の生成が観察された。一方、Vitamin D_3のみ投与したラットでは結石の生成は見られなかった。Northem blotによる解析で酸負荷による低クエン酸尿結石形成ラツトではVitamm D_3のみ投与したラット、コントロールラットに比べて腎NaDC-1,オステオボンチンmRNAの発現の増加が観察された。現在Vitamin D製剤は骨粗鬆症の治療に頻用されており副作用として尿路結石生成があるが、Vitamm D投与時の結石促進因子、抑制因子についての検討についての報告は多くなされていない。この研究により、骨粗鬆症でVitamin D_3投与を受けている症例においては、酸負荷となるような食事は低クエン酸尿症を呈し、腎結石の生成を促進する可能性があることが示唆された。この研究成果は2001年アメリカ腎臓学会にて発表した。
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