1.尿道内流速の検討:現有の超音波診断装置(アロカ、SSD-5500)と自作のプローブ遠隔装置を用いて、経会陰的アプローチ法にて種々の病態の患者の排尿時尿道内尿流速を測定した。さらに、外尿道口よりの尿流率を同時測定し、パーソナル・コンピュータ上に同期させて取り込み、排尿時における尿道の機能的断面積の推移を経時的にグラフ化した。なお、尿道内の尿流速は、カラー画像としてコンピュータに取り込んだ後、任意の関心領域を設定し、その領域における経時的流速の変化として解析可能なソフトウェアを使用して行った。 2.前立腺肥大症症例に対する経会陰超音波ドプラ法:前立腺肥大症治療前後(α-ブロッカー内服治療あるいはマイクロ波を使用した高温度治療)における超音波ドプラ画像と尿流速、尿道の機能的断面積などのパラメータについて、経時的変化の特徴を検討した。それにより、前立腺肥大症治療前後には、前立腺部尿道における機能的断面積は有意に増大し、前立腺部尿道の尿流速および前立腺部尿道と遠位部尿道との流速比を有意に低下することが判明した。
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