研究課題/領域番号 |
12770883
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
近藤 恒徳 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50301544)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 腎癌 / ケモカイン / ケモカイン受容体 / Th1 / Th2 / CXCR3 / CCR5 / γIFN / TIL / IP-10 / MIP-1β |
研究概要 |
今年度は、まずTh1ケモカインと呼ばれるγIFN依存性ケモカイン(IP-10、MIG、RANTES、MIP-1β)の発現と、Th2ケモカインと考えられるIL-4のより発現が調節されるケモカイン(MDC、eotaxin)の発現を腎癌組織内で検討することから始めた。これまで組織内遺伝子発現はQuant umRNAとよばれる半定量キットを用いてきたが、今年度はAMI Prism 7700を用いたreal time PCRを導入し、より正確に半定量化を行うことにした。上記のケモカイン発現同様にとTh1サイトカインであるγIFNとTh2サイトカインであるIL-4の発現も同時に測定し、発現レベルの相関性について症例数を増やし67例の腎癌手術症例で検討した。以前の結果同様、γIFN、IP-10、MIG、RANTES、MIP-1βの発現は腫瘍部で有意に高く、γIFN発現量と、IP-10、MIG、RANTES、MIP-1β発現量は優位な相関性が見られた(R>0.7、p<0.001)。高発現群では術後の再発は一例も見られないの対し、低発現群では5年非再発率が60%であり、高発現群の予後が明らかに良好であった。これに対し、IL-4、MDCはTh1系サイトカイン同様、腫瘍部での発現が明らかに高かったが、IL-4とMDCの発現に相関性はなかった(R=0.13、p=0.30)。また高発現群と低発現群の予後に有意差を認めなかった。次にTILを抽出しケモカイン受容体の発現量を検討した。CXCR3、CCR5の発現量と腫瘍内ケモカイン発現量の相関性については、前年度検討済みであるのでTIL上のCCR3、CCR4発現量をthree-color flow cytometryで、MDC、eotaxinの発現量をreal time PCRで検討した。CCR3、CCR4の発現量とMDC発現レベルの間には有意な相関関係は見られなかった。また受容体陽性細胞比率もCXCR3、CCR5に比べ明らかに少なかった。以上今年度の研究により腎癌内免疫反応では、Th2型反応に比べ、Th1型免疫反応が優位でありそのレベルが予後を規定している可能性が示唆された。
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