子宮および卵巣明細胞腺癌の術前、術後の血清を採取しインヒビンA、インヒビンB、アクチビンA濃度を測定した。子宮および卵巣明細胞癌患者血中インヒビンA、インヒビンB濃度には有意な変化を認めなかったが、血中アクチビンA濃度は術前、術後において低下する傾向を認めている。さらに、子宮および卵巣明細胞腺癌組織における各インヒビン/アクチビン・サブユニットの免疫組織学的局在を検討中であるが、腫瘍細胞にアクチビン・サブユニットの染色を認めている。これらの成績は子宮および卵巣明細胞腺癌の腫瘍発生、進展にアクチビンが関与していることを推測させるとともに、血中アクチビンA濃度が生殖器の明細胞腺癌の腫瘍マーカーとして臨床応用できる可能性を示唆する。さらに、明細胞腺癌組織の一部に共存して見られる子宮および卵巣の類内膜腺癌においても、同様な所見を得ている。
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