研究課題/領域番号 |
12770930
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浜谷 敏生 慶應大, 医学部, 助手 (60265882)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 精子膜蛋白 / SP-10 / 先体反応 / 精子・卵結合 / インテグリンβ1 / 受精 |
研究概要 |
精子先体膜蛋白SP-10はヒトでは主に先体外膜内側および先体内膜外側に特異的に発現する。ヒト精子は卵透明帯に接すると先体膜に露出した接着分子が卵透明帯または卵細胞膜間の結合に寄与するとされる。ヒト受精過程におけるSP-10の生理学的役割を検討した。ヒトSP-10を抗原としてモノクロナール抗体mAb pep-SP10を作製した。 1.ヒト精子のSP-10の局在を明らかにするためmAb pep-SP10を用いた免疫蛍光染色を行い先体反応誘起後SP-10は赤道部に認められた。2.SP-10の精子・卵透明帯結合での役割をhuman hemi zona assayを用い検討した。mAb pep-SP10を先体反応誘起後のヒト精子に添加することによりヒト卵透明帯への接着・侵入平均精子数は変化しなかった。3.SP-10の精子・卵細胞膜結合での役割をハムスター未受精卵ヒト精子侵入試験を用い検討した。mAb pep-SP10を先体反応誘起後のヒト精子に添加することにより精子侵入率およびハムスター卵1個当たりの接着・侵入精子数は濃度依存性に減少した。4.精子・培養細胞接着試験を用いて、近年精子・卵細胞膜結合において注目されているインテグリンβ1とSP-10が結合しうるか否かを検討した。mAb pep-SP10を先体反応誘起後のヒト精子に添加することにより、インテグリンβ1を発現するF9細胞とインテグリンβ1を欠失したTKO細胞への精子接着は抑制された。TKO細胞への精子接着はF9細胞への精子接着に比して少ない傾向が認められた。 以上のことから、ヒトSP-10が精子・卵結合に関与すること、マウス卵細胞膜上の精子受容体として注目されるインテグリンβ1がヒトにおいても重要であること、SP-10はインテグリンβ1と結合しないことが示唆された。
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