研究成果 当科聴神経腫瘍患者12例を対象として側頭骨CTの画像情報をコンピュータに移入し、画像解析ソフトウェアを用いて中耳含気腔の表面積と体積を計測した。その結果、中耳含気腔容積は平均3.87±3.51ml、表面積は49.19±40.89cm^2、両者間の相関係数は0.96、回帰関数はY=5.664+11.248×Xとなり、強い1次相関を認めることがわかった。その後、慢性中耳炎手術症例2耳を用いて計測の信頼性を検証した。外耳道を密閉後マイクロシリンジで容積負荷を行い、それに伴う圧上昇を圧トランスジューサーで計測し実測値の中耳含気腔容積を求めた。その結果CTでの計測値と実測値はよく一致しCTでの計測の信頼性が確認された。 今後の研究の展望 1.対象も例数をさらに増やし計測データの信頼性を増す。 2.笑気を用いた全身麻酔下での耳手術中に笑気拡散による中耳圧変化を計測し経粘膜換気能と中耳含気腔の体積、表面積との関係を検証する。
|