研究課題/領域番号 |
12770962
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐々木 修 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (00303454)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カオス / 非線形解析 / 重心動揺 / 眩暈 / 前庭障害 / 姿勢 / 前庭代償 / ダイナミクス |
研究概要 |
昨年度フランス姿勢研究所と共同で作成した非線形解析用高性能重心動揺計AFP40/16を用い正常者のおける開眼と閉眼時の直立静止時の姿勢制御ダイナミクスの相違を検討した。この方法論による姿勢制御システムに関する研究は世界でも初めてである。その結果として両者のダイナミクスの相違はsimilarity indexという指標を用いると約0.8前後であることが判明した。そしてこの結果と前庭機能異常者における成績とを比較したところ、前庭障害例では従来同一疾患と考えられていた眩暈症においてその内耳の病態にいくつかの相違があることが推定された。また前庭機能回復過程に関して従来の指標では明らかにならなかった微細姿勢異常をこの方法により判別することが可能となった(Sasaki O, et al.Neuroscience Res 41;185-192:2001.)。この論文はNASAやドイツの世界的前庭研究者であるBrandt教授から注目を受けた。 さらに視覚の姿勢制御における影響について検討をおこなった。すなわち視運動性刺激(OKS)のシステムに与える影響を検討したところ、OKSは実際の身体動揺が増加する対象群ではシステムは変化せず、これに対して動揺が増加しない群ではシステムが大きく変化していることが明らかになった。これはOKSにより自己受容器、前庭系、中枢積分系の相互作用が変化することにより、制御系のダイナミクスが変化し、動揺を抑制する方向に動いていることによると考えられた(Exp Brain Res 2002 in submit)。 現在この方法を用いて前庭刺激のダイナミクスに対する影響とメニエール病の発作の予知に関する研究をリンクさせて遂行中であり、ここ1-2年の間にいまだ世界中において誰も成し遂げられなかっためまい発作予知に関する画期的成果を報告できると考えている。
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