研究課題/領域番号 |
12771000
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
朝子 幹也 関西医科大学, 医学部, 助手 (00309212)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 膜電位感受性色素 / 光学的測定 / NMDA / 聴覚伝導路 / 蝸牛神経核 |
研究概要 |
昨年までの検討で、胎生早期の8日目からすでに蝸牛神経核では膜電位変化を伝播する可能性が示唆されたこと、さらに蝸牛神経核から得られた膜電位変化は2つの部分からなっており、Action potentialとシナプスを介した後のEPSPが主成分と思われる事が明らかとなった。 本年度の検討は新生マウスの脳幹スライスをもちいて、NMDA受容体アンタゴニストであるAPV及びnon-NMDA受容体アンタゴニストであるCNQを付加する事により蝸牛神経核における膜電位変化を光学的に捉え検討した。 まずVCNにおいてはAPVによりslow signalがほぼ抑制され、なおかつfast signalも一部抑制を受けたが、CNQXではほとんど効果を認めなかった。一方DCNにおける反応は非常に複雑であった。全体的にAPV、CNQXの両者共に効果を認め反応の抑制が認められたが、部分的にAPVの効果が優位である場所とCNQXの効果が優位である場所を認め、部位により反応性に差を認めた。 これらの結果より、VCNでは神経伝達がNMDA受容体を介している割合が非常に高く、non-NMDA受容体の関与が非常に少ないと思われた。DCNでは平均すると8割がNMDA受容体、2割がnon-NMDA受容体となるのだが、部位によりその比率に大きな差があり、様々な比率を持った部位が混在していることがわかった。さらにNMDA受容体の比率が核の表層ではその占める割合が少ないが、深層へ行くにつれてその割合が上がっていくことがわかった。表層のNMDA受容体が優位となっている部位はまだ神経連絡の再構築や修飾を必要としている部位なのではないかと考えられた。またこれらのnon-NMDA受容体とNMDA受容体の配列はDCNにおけるtonotopyと類似しており、音情報の神経伝達そのものや生直後の核内での神経連絡を成熟過程で再構築したり修飾したりするのに関係しているのではないかと考えられた。
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