研究概要 |
平成12年度の、日本人における正常眼の特徴をHeidelberg Retina Tomographを用いて検討した結果、我々は各乳頭パラメータの分布状況、平均値、レンジを示すとともに、視神経乳頭の対称性を詳細に検討した。この結果は第105回日本眼科学会総会(平成13年4月、横浜)で報告した。 本年(平成13年)度は日本人正常眼の乳頭パラメータの解析結果を踏まえて、早期緑内障の診断についての検討を行った。正常眼ではcupパラメータ(area,volume)は乳頭上半側が下半側に比べ大きく、一方rimパラメータは下半側で上半側に比べ有意に大きいことがわかっている。今回検討した正常眼圧緑内障において、正常眼とは反対にrimパラメータ、NFLパラメータに関しては下半側が上半側に比して減少している症例が過半数(55%)あった。 また、HRTパラメータと視野指標(MD,CPSD)との相関については、パラメータの中でC/D area ratio,rimパラメータ、NFLパラメータなどが視野指標と有意な相関を示した。興味深いことは、グローバルな視野指標であるMD,CPSDに対しても、乳頭のセクター解析がグローバル解析より強い相関を示していることである。その最も重要な部位としては、耳下側(rim area)が示唆された。
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