研究課題/領域番号 |
12771091
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
佐藤 卓也 明海大学, 歯学部, 助手 (00316689)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 破骨細胞 / B細胞 / B220抗原 / 骨代謝 / 骨吸収 / 酒石酸耐性酸性ホスファターゼ |
研究概要 |
本研究では、破骨細胞への分化能を有するB220抗原陽性未分化B細胞系細胞について、表面抗原マーカーを用いてさらに詳細に同定することを試みた。そのため、これまでに知られているB細胞系マーカー、マクロファージ系細胞マーカー等を用いて、B220抗原陽性B細胞系細胞を染色、フローサイトメーターによって分離、その各細胞群の破骨細胞への分化能を株化間質細胞ST2との共存培養破骨細胞形成系を用いて検討した。その結果、破骨細胞への分化能を有するB220陽性細胞に選択的に発現している主な既知のマーカー抗原はないようであった。すなわち、分離に用いたマーカー陽性細胞と、陰性細胞の間で、破骨細胞前駆細胞のfrequencyに有意差が出るようなマーカーは存在せず、未知のマーカーを発現しているか、B220抗原以外の表面抗原マーカーをあまり発現していない非常に未分化な細胞から破骨細胞が形成される可能性が示唆された。一方、破骨細胞のマーカーである酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)で染色したところ、単核のTRAP陽性B220抗原陽性細胞の存在が確認された。これらの点から、非常に未分化で、他の細胞系列特異的なマーカーを発現していないB220陽性細胞から直ちに破骨細胞が形成されてくることが考えられた。さらにこの考えをin vivoで確認するために、破骨細胞形成が活発に行なわれている幼若マウスについて調べたところ、TRAP陽性B220抗原陽性細胞の存在が多数確認された。以上の結果から、少なくともエストロゲン減少時、あるいは成長期などで破骨細胞が通常の骨改造時以上に形成される時には、未分化なB細胞系細胞であるB220抗原陽性細胞から、いわゆるモノサイト、マクロファージ系抗原陽性細胞を経ずに破骨細胞は形成されている可能性が明らかとなった。これらの研究成果を、J Bone Miner Res誌他に発表した。
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