研究課題/領域番号 |
12771102
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山村 健介 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90272822)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 咀嚼 / 嚥下 / 運動制御 / ウサギ / マッピング / 覚醒動物 / 無麻酔動物 / 咀嚼運動 |
研究概要 |
本研究により、以下の2点が明らかになった。 1.ウサギ大脳皮質の口腔・顔面領域の覚醒下での詳細なマッピングにより、ウサギ大脳皮質顔面口腔領域の機能局在・部位局在が明らかになった。 ウサギでは大脳皮質の機能分化が進んでおらず、皮質のほぼ同一の領域が大脳皮質咀嚼野(CMA)または顔面運動野(face MI)、時に第一次顔面感覚野(face SI)として扱われていた。しかし、本研究で、単一神経細胞活動記録と皮質内微小刺激(ICMS)を組み合わせてウサギ大脳皮質口腔顔面領域の機能的マッピングを行ったところ、face MIとCMAは大きく重なり合っているものの、face MIはCMAより吻内側、CMAはface MIより外側の島皮質よりにそれぞれ独立した領域を持つことが明らかになった。また、face MI内部でも機能的な局在があることが明らかになった。Face MIとオーバラップしたCMAへのICMSにより単純な開閉口運動を主体とするリズミカル下顎運動が誘発され、この運動は自然咀嚼時において動物が食物を取り込んだり移送したりするときに行う下顎運動と類似していた。これに対し、face MIより外側に位置するCMAへのICMSにより側方運動を伴うリズミカル下顎運動が誘発され、この運動は自然咀嚼時において動物が食物臼磨様時に行う下顎運動と類似していた。またface SIはface MIおよびCMAのやや後方に位置し、過去にGould(1986)が発表したface SIの脳地図と類似していた。 2.Face MIおよびCMA内側部を両側冷却ブロックすることで動物の咀嚼運動、特に食物の取り込みや移送がが著しく障害された。 このことはこれまで脳幹のパタンジェネレータにより制御され、半自動的に遂行されると考えられてきた咀嚼運動の少なくともある部分は、大脳皮質からの下行性制御に依存していることを示している。
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