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金属アレルギーの観点からの掌蹠膿疱症のメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 12771139
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 保存治療系歯学
研究機関東北大学

研究代表者

樋口 繁仁  東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10291262)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード掌蹠膿疱症 / 歯科用金属アレルギー / パッチテスト / アレルゲン / 歯性病巣感染 / 慢性口蓋扁桃炎 / 接触腐食 / 原因除去療法 / 定性分析 / 腐食
研究概要

掌蹠膿疱症は手掌と足蹠に限局する無菌性膿疱を主徴とした難治性皮膚疾患で、その機序および治療法など各種研究が為され、また耳鼻咽喉科領域においては扁桃病巣感染症の二次疾患として考えらている。歯科領域における根尖病巣の治癒、辺縁性歯周炎の治療といった口腔内の病巣治癒により快方に向かう場合も確認しており、その成果について今年度に、過去6年間の東北大学歯学部附属病院保存科に来院された金属アレルギーの疑いの患者の動態傾向について日本歯科保存学会および日本歯科理工学会において公表した。以下、公表内容とその他接触腐食動態についての結論を示す。
1. 過去6年間の東北大学歯学部付属病院保存科に来院した掌跡膿疱症の患者は性差および年齢分布に特徴は見られず、特にNi, Pt, Pdの感作性が高かった。
2. 掌跡膿庖症患者の治癒傾向は口腔内修復物除去(アレルゲン除去)だけで治癒する患者よりも、根尖病巣の治癒、辺縁性歯周炎の治療および扁桃摘出で治癒する患者の方が多い傾向がみられ、原因除去療法は歯科領域のみで対応するよりも、耳鼻咽喉科領域とタイアップする必要性があると思われた。(特にS.C.C.HやR.A.を併発している場合や患者が喫煙者の場合)
3. 金銀パラジウム合金単独の溶出挙動は乳酸中および生理食塩水中においてもAg, Cuの溶出イオンは確認できたが、その他合金成分のAu、PdおよびZnは検出限界以下であった。白金加金単独の溶出挙動は乳酸中および生理食塩水中においてもZn, Cuの溶出イオンは確認できた。
4. 口腔内の接触腐食については、複雑な環境下のため多数の組み合わせや咬合様式および咬合負担荷重の通いで変化するためさらに検討が必要だが、現段階では、口腔内で非な修復物が金銀パラジウム合金の場合はAg, Cuの溶出が多く、ニッケルクロム合金の場合では、Ni, Crともに溶出量が多いことが確認できた。アマルガムについては周知のとおりである。また、修復物の表面性状もイオン溶出大きく影響を与えていた。
5. ニッケルクロム合金やアマルガムは口腔内で特に構成元素の溶出が起こりやすいため、金属アレルギー患者の口腔内からは撤去する方がよいと思われた。実際、掌跡膿庖症治癒例のほとんどがこの二種の合金撤去の場合であった。
今年度までの研究では、ここまでしか解明できなかったが、今後口腔内修復物付近の軟組織に対する溶出イオンの影響や免疫応答についてさらに検討を加える予定である。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 佐藤 仁彦: "歯科用金属アレルギーによる扁平苔癬、掌蹠膿疱症"日本歯科保存学雑誌. 14・春季特別号. 107 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 樋口 繁仁: "歯科用金属アレルギーによる皮膚、粘膜疾患-メタルバイオプシーによるアレルゲンの特定と治療成績"日本歯科理工学会北海道・東北支部夏季セミナー講演要旨集. 講演要旨集. 4 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 佐藤秀樹: "超低温鋳型鋳造によるチタン鋳造体の機械的性質"日本歯科保存学雑誌. 43・3. 602-607 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 平田政嗣: "歯根修復に関する研究 第8報 イヌ歯根窩洞への培養歯根膜由来線維芽細胞の播種およびチタン片の埋入"日本歯科保存学雑誌. 43・3. 738-746 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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