研究概要 |
平成13年度研究実績 0.1%濃度のヘマトポルフィリンエタノール水溶液を作成して濾紙に染み込ませ,恒温槽で乾燥させ変色モデルとした。この変色モデル上に漂自剤を置き以下の実験条件で漂自処置を行った。変色モデルを水洗し,恒温槽で乾燥した後,変色モデルを測色し,色差を算出した。 実験1.松風ハイライトの粉液比が漂自効果に及ぼす影響 松風ハイライトの漂自効果は,粉液比の影響を受け液量が多くなるほどその漂自力が強くなり,光強度の影響も高くなることが明らかとなった。 実験2.過酸化水素含有漂自剤のpHが漂自効果に及ぼす影響 過酸化水素含有漂自剤をアルカリ環境下で使用すると,その漂自力が強くなることが明らかとなった。 案験3.ハロゲンおよびキセノン光源を用いた光照射器の照射条件が,過酸化水素含有漂自剤の漂白効果に及ぼす影響 過酸化水素含有漂自剤の光照射による漂白力の増強には材料特異性があり,漂自に際しては漂自剤に適切な光照射条件を選択する必要性が示された。 総括 本研究で開発された変色モデルは,過酸化水素が分解して生じるフリーラジカルが変色物質である有色性分子を分解して漂自が生じることに立脚したモデルであり,その有用性が確認された。また,本変色モデルを用いて実験を行うことで,これまで明らかにされていなかった過酸化水素含有漂白剤の諸特性が明らかとなり,臨床に有益な情報をもたらした.
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