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1分子内に重合性基と疎水基を有するシランの開発と効果

研究課題

研究課題/領域番号 12771157
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 保存治療系歯学
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

二瓶 智太郎  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50237781)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードフルオロアルキルシラン / 引張接着強さ / ねれ性 / 耐水性 / ぬれ性
研究概要

研究実施計画に基づき,新規シラン処理剤を種々合成し,その処理剤の効果を評価した.処理剤の効果は,ガラス面に対するレジンモノマーのぬれ,コンポジットレジンとの接着試験後の破壊様式,ならびに処理剤層の検索を3-MPS単独処理剤と比較,検討した.その結果,1.合成した新規シラン処理剤により改質されたガラス表面に対するレジンモノマーのぬれは,MA5bFが3-MPSと同等の接触角を示したが,疎水基の長いMA7bF, MA9bF,およびMA11bFは有意に高い値となった.これは,フルオロアルキル基の鎖長が重合性基と同等に近い方が,カップリング層とレジンマトリックスとの相溶性が増し,フィラーとベースレジンの親和性が高められたため,さらにカップリング層の疎水性が向上したことから,接着強さも3-MPSと比較して有意に維持できたと示唆された.
2.引張接着試験後の市販並板ガラスおよび接着子の破断面をSEM観察すると,接着強さの高かったMA5bFはコンポジットレジンもしくはガラスの凝集破壊であった.しかしながら,引張接着強さが3-MPSと比較して低かったMA7bF, MA9bF,およびMA11bFは界面破壊を呈した.
3.相反する基を1分子内にもつシランであるため,シラン自体をオリゴマー化した構造をTEM観察にてミクロドメイン構造を呈すると考えられる.その結果,海島状に親水基と疎水基が分離しており,疎水基の長いシランで海島構造が不規則となった.
以上より,フルオロアルキル基の鎖長が重合性基と同等な新規シラン処理剤(MA5bF)は,特に加熱処理を施すと3-MPSと比較してぬれの向上により有意に高い接着強さが得られ,しかもガラス面もしくは接着したコンポジットレジンの凝集破壊となった.これは,接着界面におけるシラン処理剤層がレジンとのぬれ,ミクロドメイン構造による作用のためと考えられ,疎水基の効果でカップリング層の耐加水分解および疎水性が向上し,耐水耐久性の効果が発揮されたと示唆された.

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 二瓶智太郎: "分子内にフルオロアルキル基とメタクリロイル基をもつシランカップリング剤の処理効果"歯科材料・器械. 20・2. 104-115 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 二瓶智太郎: "側鎖にフルオロアルキル基をもつメタクリレート系シランカップリング剤の合成とそれらのガラス板に対する処理効果"歯科材料・器械. 19・6. 509-518 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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