研究課題/領域番号 |
12771160
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
今泉 一郎 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (20308779)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 修復象牙質 / 組織修復 / 細胞増殖因子 / TGF-β1 |
研究概要 |
平成13年度 実験動物には生後8週齢のウイスター系雄性SPFラットを用いた。動物は、エーテル麻酔下にて、下顎左側第一臼歯をラウンドバーにて窩洞形成後、探針にて歯髄穿孔した。穿孔部を交互洗浄、止血を確認し、低粘性レジンにて充填した。露髄後、7、14、28、56日後に屠殺した。その後EDTA-グリセリン溶液で低温脱灰を行った。脱灰後、パラフィンに包埋し、連続切片を作製した。作製した切片は、HE染色とTGF-β1、ED-1を用いた免疫染色を行った。一次抗体としてTGF-β1、ED-1抗体を使用し、ABC(Avidin-Biotin-peroxidase Complex)法にて免疫染色を行った。その結果、術後7日では損傷受けた歯髄には軽度の炎症性細胞浸潤が認められ、一部壊死しているものも認められた。また、TGF-β1陽性細胞の発現は認められなかった。ALP活性は損傷された歯髄直下や根管象牙質表面に認められた。術後14日では、損傷を受けた歯髄は術後7日に比較して炎症性細胞浸潤は軽度であった。TGF-β1陽性細胞は、損傷を受けた歯髄周辺に認められた。また、ED-1陽性細胞も同様に損傷を受けた歯髄周辺に認められた。ALP活性は、損傷を受けた歯髄に接する根管壁象牙芽細胞層に認められた。術後28日では、硬組織被蓋形成による露髄面の被蓋が認められた。硬組織被蓋形成周辺にTGF-β1陽性細胞が認められた。ALP活性は、硬組織被蓋形成周辺の象牙芽細胞層に多く認められた。術後56日では、露髄面は硬組織で被蓋され炎症性細胞浸潤は減少傾向を示した。TGF-β1陽性細胞は、硬組織被蓋形成周辺に認められたが減少傾向を示した。ALP活性は、硬組織被蓋形成周辺の象牙芽細胞層に術後28日と同様に多く認められた。また修復象牙質形成量は経時的に増加した。以上の結果から推測するとTGF-β1陽性細胞は多くのマクロファージに認められ、修復象牙質形成過程における一因子として関与していることが推察された。
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