研究課題/領域番号 |
12771199
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
菊谷 武 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (20214744)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 嚥下障害 / 舌腫瘍 / 舌接触補助床 / 嚥下動態 / 嚥下圧 / 舌根-咽頭後壁接触時間 |
研究概要 |
口腔腫瘍術後患者を対象にPAPを作製し、違和感もなく安定した時点で嚥下動態をビデオ嚥下造影および中咽頭部の嚥下圧測定を行い評価した。ビデオ嚥下造影は側面座位にて行い、造影剤を口腔内に保持させ指示によって嚥下させた。嚥下第1期および第2期をデジタルビデオデッキに録画し、コマ送り画像で観察した。また、画像ソフトを用い、コマを静止画として取り込み、解析した。 嚥下圧検査には感度5.0μV/V/mmHg、X線不透過性のゲールテック社製圧トランスデューサー16CTタイプを使用した。嚥下造影下でセンサー部を第2頸椎の下端の位置を目標に留置し、センサーの方向を咽頭後壁へ向け舌根部の嚥下圧を測定した。測定された嚥下圧はAD変換し、解析した。 舌接触補助床(Palatal Augmentation Prosthesis : PAP)は舌腫瘍の摘出によって生じた口腔内の死腔の封鎖による咽頭への食塊の送り込みの補助し、さらに、舌尖部の口蓋へのアンカー機能の強化によって舌根部の運動を補助しようとするものである。PAP装着による嚥下動態の変化を検討した報告は少なく、咽頭内圧から検討した報告はない。PAP装着により口腔通過時間の短縮、舌根-咽頭後壁接触時間の延長、咽頭後壁の最大収縮波高の減少、最大嚥下圧値の上昇が認められた。これにより、PAPの装着によって口腔内の死腔の封鎖による咽頭への食塊の送り込みの改善が認められた。さらに、咽頭後壁の最大収縮波高が減少を示したことは舌根部の咽頭後壁に対する押し込みの増加を反映したものであると考え、舌尖部のアンカー機能の強化が舌根部に影響を与えたものと考える。また、舌根-咽頭後壁接触時間の延長、最大嚥下圧値の上昇はPAP装着による嚥下機能の改善を示している結果であると考える。
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