• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

口顎感染症におけるT細胞の分化誘導の基礎研究と治療法の模索

研究課題

研究課題/領域番号 12771221
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 外科系歯学
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 良明  広島大学, 歯学部, 助手 (80263721)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードTh細胞の分化 / IL-10 / 感染症 / エリスロマイシン / カラゲニン / Th細胞 / IL-1R
研究概要

IL-10と各種抗生剤が感染症に対して、いかなる免疫生物学的役割や抗菌性を果たすかを明らかにするために、実験を行った。
(1)8週齢のBALB/cとC3Hマウスの咬筋部に、S.mitis, S.intermedius, またはS. sanguisにカラゲニンを混合または単独注入し、感染症を誘発した。IL-10と各種抗生剤の単独または併用投与時のマウスの生存率、局所の腫脹径と末梢血の白血球数の変動を計測し、経時的に炎症組織を採取し、RT-PCR法とin situ hybridization法でTh1とTh2の産生サイトカインのmRNAを検索した。(2)経時的に採取した末梢血からリンパ球を分離し、Th細胞の分化度をモノクローナル抗体で検索した。(3)(2)で得たTh細胞のIL-1R陽性率を計測した。(4)各種抗生剤がin vivoとin vitroでTh細胞に及ぼす影響を検索した。これらの実験から、以下の結果を得た。
1)IL-10は、これら感染症マウスの腫脹を早期に改善し、致死的経過をたどるマウスの救命に働く可能性を示した。その主作用は、Th細胞のTh1への過剰な分化抑制とTh2への分化誘導であり、Th1への過剰な分化を原因として惹起される種々な疾患に対し、治療薬として応用される可能性のあることが強く示唆された。
2)IL-10のTh細胞への影響は、局所に比べ血中で比較的長く残存する。安易な投与は、逆にTh2への過剰な分化を惹起することから、新たな病態を形成する可能性が推測された。
3)Th細胞に対するEMの効果を検討し、in vitroでは、短時間でTh細胞をTh2に分化誘導することが判明した。しかし、in vivoにおけるTh細胞への影響は、約2週を要し、IL-10に比し、重症化膿性炎に対して即効性はなく、比較的長期投与の必要なことが推測された。本実験で、IL-10とEMに既存の抗生剤のCCLを加えた群が最も坑腫脹効果を示した。この結果、Th細胞のTh1への過剰な分化を是正するために、IL-10は即効性を発揮し、またEMは遅発的で、かつ持続的にその効果を発現し、さらに既存の細菌スペクトラムに合致した抗生剤の投与によって、重症化膿性炎症に対し、より効果的でかつ早期に改善できる可能性が示された。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi