研究課題/領域番号 |
12771235
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
寺坂 弘司 明海大学, 歯学部, 助手 (80306258)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ハイドロキノン / ベンゾキノン / ヒト癌細胞 / ミトコンドリア / Mn-,Cu / Zn-SOD / リボフラビン・NBT活性染色 / RT-PCR / ヒト口腔癌細胞 / 歯肉線維芽細胞 / アポトーシス / 抗酸化剤 / 過酸化水素 / ラジカル / ESR |
研究概要 |
昨年度、レジン歯科材料として使われている抗酸化剤ハイドロキノン(HQ)のヒト癌細胞および正常細胞に対する選択毒性を調べたところ腫瘍選択毒性は観察されなかったが、その細胞毒性は抗酸化剤のNACで抑制されることを報告した。本年度はHQとその酸化物であるベンゾキノン(BQ)の培養ヒト癌細胞に及ぼす影響とDNA損傷機構について検討を行った。ヒト癌細胞としてヒトロ腔扁平上皮癌(HSC-2)、ヒト唾液腺腫瘍細胞(HSG)を10%FBS添加DMEM培地中で、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)を10%FBS添加RPMI1640培地中で培養した。DNAの断片化はDNA抽出後、アガロースゲル電気泳動法により解析を行った。HQおよびBQは各々の生細胞数を濃度依存的に抑制し、HL-60細胞のみにヌクレオソーム単位のDNAの断片化を誘導した。アポトーシス関連タンパクの発現は、現在検討中である。HQによる細胞障害が、ミトコンドリア抗酸化酵素のMn-SODの活性に影響を与えるかどうかをポリアクリルアミド電気泳動後、リボフラビン・NBT活性染色により検討した。HQおよびBQは、サイトゾルに存在するCu/Zn-SOD活性よりもMn-SOD活性を強く阻害した。Mn-,Cu/Zn-SOD mRNAの発現量をMn-,Cu/Zn-SOD特異的プライマーを用いたRT-PCR法により測定した。PCR産物をアガロースゲルで泳動後、コンピューター画像解析を行った。HQおよびBQは、Cu/Zn-SODに比較して濃度依存的にMn-SOD mRNAの発現を有意に抑制した。以上の結果は、HQおよびBQによりラジカルスカベンジャーであるMn-SOD活性およびmRNAの発現量が低下したことは、HQおよびBQ由来のフリーラジカルがDNA損傷、Mn-SOD遺伝子の転写を阻害し、最終的に細胞死を誘発する可能性が示唆された。
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