研究概要 |
本研究は,治検段階であるpregabalinおよびgabapentinの三叉神経領域に惹起された神経因性疼痛に対する有効性を評価する目的で行った。 carbamazepine 17mg/kg群およびgabapentin 10mg/kg群では,saline群と比較しFos-LI cellsの発現分布様式に違いは認められなかった。gabapentin 30、100mg/kg群とpregabalin 3、10、30mg/kg群およびcarbamazepine 50mg/kg群,pregabalin 3mg/kgとMK-801 0.2mg/kgの併用投与群,gabapentin 10mg/kgとMK-801 0.2mg/kgの併用投与群においてはsaline群と比較しCCI同側の表層および深層の両層において、Fos-LI cellsの有意な減少を認めたが、特に表層においてその傾向は強く現れた。saline群と比較した投与後HWTの有意な上昇が、pregabalin群およびgabapentin群で投与30分後から現れ、最大投与量下(それぞれ、30mg/kgおよび100mg/kg)では4.5および4時間後まで認められた。また,carbamazepine群においては投与後1時間後から認められ最大投与量下である50mg/kgでは投与後3.5時間後までHWTの有意な上昇が観察され,その上昇時間はpregabalinおよびgabapentinと比較し短いことが解った。今回の実験からpregabalinおよびgabapentinは三叉神経支配領域に惹起される神経因性疼痛に対する新しい治療的可能性を有する薬として期待できると思われる。また,量薬物ともその作用機序においてNMDA受容体の関与が示唆された。
|