研究課題/領域番号 |
12771266
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山方 秀一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70292034)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 歯科矯正用ワイヤー / ブラケット / 審美 / FRP / CPSAガラス繊維 / 剪断 / 破壊 / 摩擦特性 / 審美性歯科材料 / 繊維強化型プラスチック(FRP) / 剪断力 / 強さ |
研究概要 |
研究期間における当該研究の主な成果は次の通りであった。1.上顎中切歯用ポリカーボネート製ブラケット(ブラケット幅4.0mm、従来型)のエッジおよびウィングを削合することで、曲率半径0.5mmの辺縁形状を有する改良型ブラケットの試作に成功した。2.繊維体積分率50.0%、直径0.5mmの繊維強化型審美性矯正用ワイヤー(FRPワイヤー)を試験片とし、乾燥条件下での片持ちばり曲げ試験を行ったところ、限界たわみ距離は従来型に対して約1.4倍に増加することがわかった。3.2.と同様の試験片を用い、湿潤条件下での1.5mmまでの片持ちばりヒステリシス試験から、たわみ量1.0mmにおける荷重維持率(除荷時荷重値/負荷時荷重値)は従来型に対して約1.9倍に増加することがわかった。これらは、主としてブラケット辺縁部における曲率半径の増加および剪断力の回避によると考えられた。また、力点までのスパンが増加したことも関与したと考えられた。4.ブラケット-ワイヤー間の摩擦特性を評価するために、懸垂式分銅の構造を有する摩擦試験機を一面および二面接触型の2種について試作した。5.二面接触条件での見かけの静摩擦係数は、理論値の上限にあたる一面接触条件での静摩擦係数の√<2>倍よりやや大きく、およそ1.4から2.0倍の値を示すことが明らかとなり、試験機の有効性が確認された。6.FRPワイヤーと単結晶アルミナ製およびポリカーボネート製、ステンレス製ブラケットとの間の静摩擦係数は、矯正用金属ワイヤーを用いた場合よりおよそ1.5倍大きいことがわかった。また、FRPワイヤーと多結晶アルミナブラケットとの間の静摩擦係数は、金属ワイヤーを用いた場合よりおよそ4.5倍と特異的に大きいことが明らかとなった。このことには、主に多結晶アルミナ部材表面の微細な凹凸とFRPワイヤーの表面硬さとの相性が関与したと推測できた。
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