研究概要 |
平成13年度は(1).咬合力 測定は咬合力計MPM-3000を使用し、下顎第一大臼歯の咬合面に検出器を設定し最大噛み締め力で左右側3回ずつ測定し、測定の最大値を被験児の咬合力とし、昨年に引き続き現在測定中である。(2).咀嚼能力 前田ら(日大)の方法を参考にし、ゴム製指サック内にATP穎粒剤を1g包填し、30回咀嚼させた後、指サックを回収する。蒸留水にて撹拌後、濾液を分光光度計にて紫外線259nmにて吸光度を測定する。3回の最大値を咀嚼能力値とする。なお、咬合力、咀嚼能力について、7〜9歳を対象に行った調査により7、8歳時に比べ9歳に咬合力、咀嚼能力ともに急激に増加することを明らかにした(A study on the occlusal force and masticatory efficiency at school age Japanese children。Int. J. Pediatr. Dent. 11:281-285,2001)。(3).頭部X線規格写真 昨年に引き続き、顎・顔面頭蓋を代表する15計測点の深さと高さを計測する。(4).下顎骨骨塩量 下顎第一大臼歯にAl当量に換算する際に基準となるアルミニウムスロープを貼付したデンタルフィルムを固定し、一定条件下で口内撮影を行う。一定条件の現像・定着処理後、得られたデンタルフィルムは骨塩量測定器により光学的観察を行い、光学スリットを下顎第一大臼歯根分岐部を通過し、歯軸に対して平行に移動させるように設定する。さらに対象群ごとの測定数に大きなバラツキが出ないよう確認しながら進める。研究経費は消耗品が中心である。以上の測定により得られた結果より、それぞれの測定の平均値、男女間・年齢間の有意差の検定さらに4種の測定の相関関係を調査・検討し、成長発育期の顎骨の形態計測値と咬合力・咀嚼能力との間に高い相関があることを明らかにした。
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