研究課題/領域番号 |
12771308
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
河上 智美 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (30277595)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | シクロフォスファミド / ビンクリスチン / ラット / 成長発育 / 抗腫瘍剤 |
研究概要 |
【目的】白血病に代表される小児悪性腫瘍は、発症が乳幼児期に集中している。近年では治療成績は飛躍的に向上し5年以上の生存例も増加している。しかし、その副作用や成長障害・二次がんの発生など晩期障害が新たな問題となっている。今回、抗腫瘍剤が顔面頭蓋の成長におよぼす影響を明らかにするため臨床に頻用されている2種類の薬剤をラットに作用させた。 【材料と方法】生後11および14日目のWister系ラットに抗腫瘍剤を腹腔内投与して、一定期間生後54日目まで飼育した。CON群:生理食塩水 VCR群:0.05mg/kg硫酸ピンクリスチン(オンコビン、塩野義製薬) CPA群:30mg/kgシクロフォスファミド(エンドキサン、塩野義製薬) ラットは一定期間飼育後、安楽死させ、頭部および上腕骨を直ちに離断し固定した。固定完了後、頭部規格化固定装置を用い、軟エックス線発生装置(CSM-2型、ソフッテックス社)で頭部エックス線規格写真を撮影した。このエックス線写真より頭蓋の成長を観察した。また、上腕骨と下顎骨は固定後、非脱灰研摩標本を作製し、観察にはマイクロラジオグラフィー、蛍光顕微鏡、共焦点レザー顕微鏡を用いた。 【結果および考察】CON群の成長を側方から比較すると経日的に頭蓋部では上下的増大よりも前後的増大のほうが著しかった。頭蓋の幅に関しては頬骨弓の幅の増加量が大きかった。下顎骨では下顎枝長より下顎骨体長の増加量が大きかった。54日目の所見ではVCR群とCON群との間に差を認めなかったが、CPA群ではすべての項目でCON群にくらべ小さかった。また上腕骨の骨長においてもCPAでは抑制を認めた。このようにCPAでは硬組織の形成抑制が現れた。さらに、下顎骨における臼歯の形成状態を観察すると、VCR群はCON群に比べほとんど変化がなかったが、CPA群は薬剤の投与によって歯根形成に障害が生じて根長が短かった。また、その構造も歯髄腔を認めないなどのs障害を認めた。さらに、歯槽骨の骨改造の障害を併発しており、歯根膜腔も拡大していた。
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