研究課題/領域番号 |
12771384
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (80254308)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | NF-κB / 蛍光蛋白質 / 共焦点レーザ顕微鏡 / TNF-α / プロテアソーム / NGF / ニューロトロフィン / 核移行 |
研究概要 |
NF-κBは通常は細胞質に存在しており、細胞が活性化されると細胞質から核に移行して転写因子としての機能を発揮し、適切な細胞応答を誘導することが知られている。そこで、NF-κBのサブユニットの一つであるp50の前駆体蛋白質p105とGFPのキメラ蛋白質(GFP-p105)をラット副腎髄質褐色細胞腫(PC12細胞)に安定発現させ、腫瘍壊死因子(TNF-α)刺激に伴うNF-κBの細胞質から核への移行を観察することを試みた。その結果、TNF-αを添加すると、約10分のlag-timeの後、細胞質に局在していたGFP-p105が徐々に核移行し始め、45分後には核移行がほぼ飽和に達することが分かった。また、PC12細胞は神経成長因子(NGF)存在下で培養すると交感神経細胞に分化するが、神経細胞に分化したPC12細胞の方が分化していない細胞よりもNF-κBの核移行が効率よく起こることが分かった。一方、分化していないPC12細胞をTNF-αとNGF、または、TNF-αと脳由来神経栄養因子(BDNF)で共刺激すると、いずれの場合にもGFP-p105の核移行が著しく増強されることが分かった。PC12細胞にはニューロトロフィン受容体としてTrkA(NGFと結合)とp75NTR(NGFおよびBDNFと結合)が発現しているが、TrkB(BDNFと結合)は発現しておらず、これらの結果からp75NTRがTNF受容体を介したNF-κBの核移行を増強していると推察された。また、GFP-p105は核内ではGFP-p50となっていることや、プロテアソーム阻害剤のlactacystinの前処理で核移行が抑制されることから、GFP-p105はプロテアソームによる分解を受けてGFP-p50となって核に移行していると考えられた。
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