研究課題/領域番号 |
12771391
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齊藤 真也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80271849)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細胞骨格 / アクチン / 海洋天然物 / Gタンパク質 / 血管内皮細胞 / 細胞運動 / 微小管 / アポトーシス / カルシウム |
研究概要 |
アクチンは筋収縮のみならず、細胞運動や細胞質分裂などの動的な役割に加え、細胞骨格としての静的役割という一見矛盾する役割を、様々なタンパク質との共動によって果たし、様々な面で細胞の機能を制御している。一方微小管を構成するチューブリンもまた核分裂における動的な役割と細胞骨格としての静的な役割を担っている。細胞の増殖においてはこの細胞骨格の状態がチェックポイントとして、細胞周期の次の段階に入るかどうかを決定づけている。 我々は赤潮の原因である渦鞭毛藻より単離したマクロライドであるゴニオドミンAの細胞増殖阻害および細胞運動阻害作用を培養内皮細胞を用いて検討した。ゴニオドミンAは生化学的な実験から、アクチンを構造変化させ、フィラメントを束化することが明らかとなっている。培養内皮細胞においてbFGFはストレスファイバーを形成させ、血管新生を促している。これに対してゴニオドミンAは内皮細胞においてF-アクチンの凝集塊を形成し、ストレスファイバー形成を抑制した。しかし、この作用はG_<βγ>やconstitutive active Rhoを強制発現させ、ストレスファイバーが既に形成された細胞では認められなかった。したがってゴニオドミンAは細胞骨格の再構築を阻害することによって、細胞運動および細胞分裂を阻害し、さらにこれらの作用の組み合わせによって、直接細胞傷害作用が現れる濃度より低い濃度において、血管新生を阻害し得ることが示された。 さらに我々は細胞骨格形成に関係のあるPI-3キナーゼ阻害作用を持つハレナキノンがアポトーシスを誘導すること、そして誘導体であるセストキノンにはどちらの作用も認められないことから、アポトーシスがPI-3キナーゼの抑制によって起きていることを示した。
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