研究課題/領域番号 |
12771397
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 智之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (40303846)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヒスチジン脱炭酸酵素 / ヒスタミン / マスト細胞(肥満細胞) / 好中球 / 顆粒 / 精子 / 翻訳後装飾 / 肥満細胞 / 細胞内局在性 |
研究概要 |
ヒスタミンは多彩な生理作用を有し、アレルギーや炎症といった病態形成においても重要な生理活性物質である。生体内ではヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)により合成されるが、その活性制御は転写レベルだけではなく、タンパクレベルにおいても翻訳後プロセシングや細胞内局在性の変化を介して調節されていることが予想されている。本研究では、骨髄由来培養マスト細胞、腹腔浸潤好中球、精巣におけるヒスチジン脱炭酸酵素の活性調節機構を翻訳後レベルに重点をおいて検討し、以下の知見を得た。 1)骨髄由来培養マスト細胞においてIgE結合により誘導されるHDC分子種の検討 IL-3依存性骨髄培養マスト細胞においてIgE添加により、抗原非存在下においても細胞内へのカルシウム流入が生じ、HDCが転写レベルで誘導されることを見いだした。この際に誘導されるHDC分子種は74-kDaの分子量を有する前駆体であり、53-kDa分子種は検出されなかうた。 2)腹腔浸潤好中球におけるHDC分子種の解析 カゼインの腹腔内投与により集積する好中球には高いHDC活性が認められ、イムノブロットの結果、主として53-kDa成熟体分子種が顆粒酵素として存在することが明らかとなった。また浸潤好中球をin vitroで培養すると速やかな酵素活性の低下が観察されたが、この時HDCタンパク量はほとんんど変化がないことから、翻訳後修飾による酵素の不活性化機構が存在することが推察された。 3)精巣に発現するHDC分子種の解析 マウスにおいてHDCが精子細胞、精子の先体領域に発現することを見いだした。カルシウムイオノフォア刺激により精子に先体反応を誘導したところヒスタミンの遊離が認められた。精子に発現する分子種は約35kDaの分子量を示し、生殖細胞において特殊なプロセシングが起こっている可能性が考えられた。
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