研究課題/領域番号 |
12771413
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松尾 由理 (池田 由理) 北里大学, 薬学部, 助手 (10306657)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 疼痛 / 炎症 / 足浮腫 / ライジング反応 / ブラジキニン / プロスタグランジン / バニロイド受容体 / 神経細胞 / 細胞内カルシウム濃度 / アストロサイト |
研究概要 |
本研究では、キニノーゲン欠損ラットを用いたカラゲニン足浮腫モデル、さらにC線維脱落マウスを用いたwrithingモデルでの検討を行い、腫脹反応と疼痛反応に関与するメディエーターを検索した。ブラジキニン(BK)の前駆体であるキニノーゲンの欠損ラットでの腫脹・疼痛反応は正常ラットの反応に比べ低値であり、カラゲニン誘発の足浮腫と疼痛にBKが深く関与することが示された。また薬理学的解析により、カラゲニン足浮腫モデルの腫脹・疼痛反応にはB_2受容体とプロスタグランジン(PG)が深く関与すること、また、PGはBKが存在する時にのみ関与することが示唆された。一方、神経系でのBKの作用を調べるために、神経芽細胞腫であるNeuro-2A細胞でのBK応答を調べたところ、B_2受容体の活性化はPLCの活性化を介した細胞内ストアからのカルシウム放出を引き起こし、細胞内カルシウム濃度を上昇させること。また、このBK応答を、PGI_2がcAMPの上昇を介して増強させることが示され、これがBKが関与する疹痛反応に対するPGの増強反応の基礎メカニズムとなっているものと推定された。さらに、新生児期にカプサイシンを投与することでC繊維を脱落させたマウスを用いた酢酸誘発writhingモデルにより、C繊維を介する痛覚伝達とそれに関与するメディエーターを解析した。BK、サブスタンスPはC繊維に、PGはC繊維だけでなくそれ以外の痛覚伝達経路にも作用することが示唆された。さらにカプサイシンなどの辛味受容体であるVR1受容体の関与を検討したところ、酢酸、プロピオン酸、乳酸で誘発されるwrithing反応をVR1拮抗薬カプサゼピンが有意に抑制したことから、酸誘発疼痛反応におけるVR1受容体の重要性が示唆された。以上より、炎症性疼痛に関与するメディエーターの相互作用をin vitro、in vivoで示すことが出来た。
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