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スカベンジャー受容体を介したVI型ホスホリパーゼA_2の活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12771420
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関京都薬科大学

研究代表者

秋葉 聡  京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (70231826)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードホスホリパーゼA_2 / プロテインキナーゼC / アラキドン酸 / スカベンジャー受容体 / マクロファージ / ファゴサイトーシス
研究概要

本研究では,マクロファージ様P388D_1細胞を用いて,スカベンジャー受容体を介したザイモザン刺激下でのアラキドン酸遊離反応にCa^<2+>非依存性の型細胞質PLA_2(iPLA_2)が寄与する可能性を明らかにするとともにiPLA_2の活性化機構について検索した。
P388D_1細胞をザイモザンで刺激すると,アラキドン酸遊離に平行して膜画分へのiPLA_2の活性上昇を伴う移行が見られ,また,本細胞に存在するプロテインキナーゼC(PKC)分子種(α,β,δ,ε,ζ)のうち,刺激によりPKCα,δ,およびεの三種が膜画分へ移行した。このアラキドン酸遊離はiPLA_2またはCa^<2+>依存性の型細胞質ホスホリパーゼA_2(cPLA_2)の特異的阻害剤によりそれぞれ40%および60%抑制された。PKCの活性化剤であるホルボールエステル(PMA)でPKCのダウンレギュレーションを試みたところPKCαおよびδが枯渇され,この条件下ではザイモザン刺激によるiPLA2の膜移行も抑制された。さらに、PKCαの阻害剤およびCa^<2+>のキレート剤は刺激下膜画分でのiPLA_2活性の上昇を抑制し,一方,PKCδの阻害剤は無効であった。しかしながら,PMAまたはCa^<2+>イオノホアの刺激下ではiPLA_2の膜移行は誘起されなかった。従って,ザイモザン刺激下でのiPLA_2の膜移行にはPKCαおよびCa^<2+>が必須であるが、これらの因子だけでは不十分であり,ザイモザン刺激に特有の細胞応答がiPLA_2の膜移行に関与する可能性が考えられた。ザイモザンの刺激下ではファゴサイトーシスが誘起され,それ自身が細胞内に取り込まれることから,iPLA_2の膜移行が刺激に伴うファゴソームの形成に依存する可能性を検索した。その結果,ファゴサイトーシスを抑制するサイトカラシンD(アクチンの重合阻害剤)で細胞を前処理したところ、ザイモザン刺激下でのiPLA_2の膜移行およびアラキドン酸遊離は著しく阻害された。一方,酸化LDLでの刺激下では,ザイモザンと同様な即時的なアラキドン酸遊離やiPLA_2の膜移行は見られなかった。また、スカベンジャー受容体を介さない刺激下でのP388D_1細胞や胃粘膜上皮細胞では,アラキドン酸遊離は誘起されたが、その遊離へのiPLA_2の関与およびiPLA_2の膜移行は見られなかった。
以上の結果から,ザイモザン刺激下でのアラキドン酸遊離の一部を担うiPLA2は,PKCαの活性化およびCa^<2+>動員に依存して,ファゴサイトーシスに伴い形成されたファゴソームの膜へ移行し,その水解活性を発揮することが推察された。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Satoshi Akiba, Ryo Hatazawa, Kyoko Ono, Kazuyuki Kitatani, Misako Hayama, Takashi Sato: "Secretory phospholipase A_2 mediates cooperative prostaglandin generation by growth factor and cytokine independently of preceding cytosolic phospholipase A_2 expression in rat gastric epithelial cells"J. Biol. Chem.. 276. 21854-21862 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Satoshi Akiba, Satoshi Ohno, Masahiro Chiba, Keisuke Kume, Misako Hayama, Takashi Sato: "Protein kinase Cα-dependent increase in Ca^<2+>-independent phospholipase A_2 in membranes and arachidonic acid liberation in zymosan-stimulated macrophage-like P388D_1 cells"Biochem. Pharmacol.. (in press).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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