研究課題/領域番号 |
12771471
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
|
研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
加藤 伸一 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (90281500)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 非ステロイド傾向炎症薬 / COX-2選択的阻害薬 / アジュバント関節炎 / 線維芽細胞増殖因子 / 一酸化窒素(NO) / プロスタグランジン / 胃粘膜 / 慢性潰瘍 / 非ステロイド系抗炎症薬 / 繊維芽細胞増殖因子 |
研究概要 |
慢性関節炎発症時における消化管障害性および治癒反応について検討し、以下のような知見を得た。 1.アジュバント誘発関節炎ラットではインドメタシン誘起胃損傷が関節炎の程度に比例して著明に増悪したが、逆に、エタノールにより誘起される胃損傷の発生は抑制されることを観察した。これらの現象には主として誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)由来の一酸化窒素(NO)が関与しているものと推察される。 2.慢性潰瘍の治癒反応は関節炎ラットでは正常ラットと比較して有意に遅延していることが判明した。この現象には、潰瘍治癒において重要な役割を演じている種々の増殖因子の発現異常が還啓しているものと推察される。 3.シクロオキシゲナーゼ(COX)-2選択的阻害薬は近年、副作用の少ない抗炎症薬として注目されている。そこで、この薬剤が関節炎発症時に胃粘膜の恒常性が変化したような状態時でも本当に傷害性を示さないのかについて検討した。COX-2選択的阻害薬は正常ラットの胃粘膜に対しては何ら傷害性を示さなかったが、関節炎ラットにおいてはIMと同様に胃損傷を惹起した。また、関節炎ラットの胃粘膜ではCOX-2が発現しており、このCOX-2の発現部位は主として関節炎発症に胃粘膜に浸潤してきたマクロファージであることが観察された。また、関節炎ラットの胃粘膜では正常ラットと比較して血管透過性の亢進が亢進していたことから、慢性関節炎発症時には何らかの微小循環系の傷害が胃粘膜に存在しているものと考えられ、その結果としてマクロファージの浸潤ならびにCOX-2発現が生じた可能性が推察される。ゆえに、関節炎ラットの胃粘膜恒常性の維持にはCOX-1に加えてCOX-2由来のプロスタグランジンも重要であると考えられる。
|