研究課題/領域番号 |
12771496
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
南家 貴美代 熊本大学, 医療技術短期大学部・文部科学教官, 助手 (80264315)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | HIV看護 / HIV担当看護婦 / HIV拠点病院 / 看護介入 / 看護の専門性 |
研究概要 |
全国のHIV拠点病院(365施設)でHIV看護に関わる看護婦を対象に、HIV看護における看護職の認識と実態についてアンケート調査を行った。 調査に協力の得られた施設は202施設(55.3%)であり、1956名の看護婦から回答を得た。202施設のうち、HIV感染者のみ、あるいはHIV感染者に優先的に関わる看護婦(HIV担当看護婦)を配置している施設は60.3%であった。1956名の看護婦のうち、HIV担当看護婦は11.3%であった。また実際にHIV感染者に関わった経験のある看護婦は66.0%、であり、拠点.病院であっても、3割以上の看護婦が関わった経験がなかった。 HIV感染者に対する具体的看護支援として、先行研究から16項目をあげ、重要度の相違を調査した。その結果、HIV感染者と関わった経験のある看護婦でも、HIV担当看護婦と担当ではない看護婦との間で、「病院と患者をつなぐ窓口としての役割」と「他の施設との連携・調整」の2項目で有意差がみられ、HIV担当看護婦のほうが重要であると認識していた。 HIV看護に携わるにあたり、不安や問題と感じている事柄として、「自分への感染の危険」「知識や経験不足から生じること」「HIV診療体制や管理に関すること」「外国人感染者の言葉の問題や医療費のこと」などがあげられた。さらに、HIV担当として勤務している看護婦からは、他職種との連携の難しさやHIV担当看護婦数が少ないことによる負担などが挙げられていた。 HIV担当看護婦の働きによって、HIV感染者の生活の質の向上がもたらされていることは昨年の結果から示されている。しかし、HIV担当看護婦は必要ではない、と回答した看護婦は担当でない看護婦に多くみられており、同じ看護職の間でもHIV担当看護婦についての見解の相違が明らかであった。 これらのことから、在宅療養を意識しながら専門性の高い看護を提供できる担当看護婦は患者にとっては重要であるが、現在の体制では十分にその機能を発揮できているとは言いがたいことや拠点病院であっても実際に感染者と関わった経験の無い看護婦も3割以上おり、その多くが自信を持てない状況で感染者に関わっていることが示唆された。
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