研究課題/領域番号 |
12771540
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
岡村 晴子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (50317624)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 体温 / 出産 / 冷え性 / 温罨法 / 安産 / 足浴 |
研究概要 |
「冷え性の産婦は難産になるのか?」という問いを元に本研究を行った。自然に陣痛が発来した正期産の産婦を対象に中枢(前額)・末梢(足背)の深部温を連続測定し、必要時足浴または足部マッサージを行うというスタイルで研究を開始した。その結果、10例の産婦(経産婦6例、初産婦4例)の測定結果が得られた。今回は、それぞれの産婦の体温変動と分娩経過を記述検討した。 先行研究の結果と同様に、中枢・末梢ともに下降するパターン、中枢が上昇し末梢が下降するパターン、中枢・末梢ともに上昇するパターン、著明な変化の認められないパターンが確認された。その中で、分娩進行が停滞しかつ末梢の冷えがあって足浴を実施したのは1名のみであった。この時、本人には冷えの自覚はなく、足浴による明確な効果は確認できなかった。 末梢の冷えが確認され靴下をはいた産婦では、その後末梢深部温の上昇と共に中枢深部温の上昇がみられ、38℃以上まで上昇した。体温の上昇と共に分娩進行も促進したが、一方で胎児心拍の異常徴候が見られての出産となった(結果的には出生児に問題なし)。 腰痛の訴えのあった産婦に対し、腰部に湯たんぽを貼用したところ、末梢深部温の上昇が確認され、分娩進行の促進が認められたケースが1例あった。しかし、同様に湯たんぽを使用しても末梢深部温には変化の認められないケースも見られた。 以上より、出産中の冷えと分娩進行の明らかな関連は確認できなかった。しかし腰部の温罨法を行うことで末梢深部温が上昇し分娩進行が促されたことや、体温の上昇による胎児の健康問題などの新たな知見が得られたことより、今後は末梢の冷えだけに注目するのでなく、さらに幅広い検討が必要なことが示唆された。
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