研究課題/領域番号 |
12780042
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
上向 貫志 武蔵大学, 人文学部, 専任講師 (40291661)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | スポーツ障害 / 痛み / 投影法 / 傷害 / 心理的了解 |
研究概要 |
本研究の目的は、競技者としてのアイデンティティーを危機的状況にさらす可能性の高いスポーツ傷害に関して、その背景に隠される心理的な意味の了解を試みることであった。平成12年度に行われた横断的調査により明らかとなった負傷選手の特徴(他選手への羨望、復帰後の高い不安、ソーシャルサポートの拒絶、対処能力の低さ等)に焦点をあてつつ、その背景にある無意識的な動機を心理投影法とインタビュー調査によりアプローチする作業が行われた。 調査対象となった競技者は4名であった。内訳は大学生及びプロ選手であったが、このうち2名はすでに引退している選手であり、現役当時を回顧してもらう形式によるインタビュー調査であった。ここでは4名中1名の競技者について、その概略を報告する。 【ケースA:31歳男性 プロサッカー選手】 Aは小学校から大学まで各年代の主要全国大会での優勝経験を持ち、さらにユース代表、オリンピック代表、日本代表歴も有するトップレペルの選手である。大学卒業後プロ選手となり、数回のチーム移籍後、現在も現役選手である。 学生時代はそれほど目立った負傷歴はなかったが、プロ選手となってから重度の捻挫、大腿部肉離れを十数回繰り返している。本ケースの意識レベルでは、他選手以上に自己の身体に対するケアは十分すぎるほど行っており、自身の怪我の多さについては、認めるもののその心理的な解釈の可能性にっいてはまったく否定的は反応であった。パーソナリティと投影法からの情報では、異常に高い要求水準、対人関係の疎通性の低さなどが挙げられ、また、自己の経験を生かした対処が不十分であることが窺われた。本ケースの心理的背景に関する考察については紙面の都合上割愛せざるを得ないが、研究成果を発表する予定である。
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