研究課題/領域番号 |
12780068
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須貝 俊彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90251321)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 濃尾平野 / 第四期 / 海水準変動 / ボーリングコア / 電気伝導度 / アコモデーション / 平野地下構造 / GSI / 第四紀 / 海成粘土層 / 地殻変動 |
研究概要 |
1998〜1999年に岐阜県海津郡海津町において地質調査所(現在、産業技術総合研究所)によって掘削されたオールコアを対象として、堆積物の粒径および電気伝導度を測定し、さらに細粒層については、珪藻化石の分析ならびに、高速イオンクロマトグラフィーによる無機イオン分析を実施した。また、濃尾平野における既存ボーリング柱状図を収集し、GISソフトウエア(TNT-mips)を用いて、平野の地下層序に関する個別情報をデータベース化して、平野の地下構造解析を進めた。 高い電気伝導度を示す地層は、海成珪藻を産出することから、海成層であることが裏付けられた。また、硫酸イオンが電気伝導度を高め、堆積物を酸性化していることが確認された。さらに、電気伝導度は、含泥率によって代表される堆積物の粒径に依存し、細粒層ほど高い値を示す傾向にあることが判明した。電気伝導度変化をコア全体を通してみると、約90万年前以降は海進規模が増大する傾向が認められた。以上の分析結果を総合して、沈降運動と氷河性海水準変動の組み合わせで決まるアコモデーション(堆積空間形成速度)の時間変化モデルを構築した。 濃尾平野の地下構造に関しては、深度約50m以浅では、ボーリング柱状図が多数存在するため、3次元的構造が1km程度の空間分解能で示された。後期更新統より古い地層の堆積する地下深部については、柱状図が少なく、平野全体の堆積状況の復元には至っていない。今後は、反射法地震探査断面や重力データを活用して、構造の解明をすすめるとともに、コアによって得られた点情報を河川システムの発達という枠組の下で、空間的に広げて行く方法を検討する。
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