研究概要 |
近年の設計は性能型に移行しており,住宅においては品質確保の促進等に関する法律も制定され、住宅性能表示制度などについても住宅メーカーなどの商品にはこれらの表示が増えつつある。このことにより、建物の安全性および居住性など各種性能の要求度合いやそのレベルに対する建築主やユーザーの意志を抽出することが必要となっている。 本研究では,住宅のユーザーである一般居住者を対象に住宅性能に対する意識およびその要求レベルの抽出を目的としており、今年度の交付申請書においては次の3点を実施すると記載した。 (1)これまでの調査結果に対する分析 (2)住まい手が住宅に要求する性能レベル解明のための調査(継続) (3)住まい手が住宅に要求する安全性レベルの具体的な資料化 【調査(1)】 住まい手が住宅の躯体に何を求めているのかという点においては、これまでの経緯もあり、住宅性能を考慮しての判断が行われない傾向にあることがわかった。知識としてはメディアによる情報を含め、高まっている部分もあるが、性能を考慮することを自分自身の問題として捉えていない。 【調査(2)】 住宅の躯体に対する意識、躯体の解体や再利用に対する意識、自宅に発生している不都合に関する実態などについて、一般居住者計150名を対象に調査を行った。 【調査(3)】 住まい手が知らない情報はどのような資料を使うと理解しやすいかを把握することは重要である。そこで今年度は試行調査を行った。写真を使った資料、イラストを使った資料、ビデオ映像で写真を使ったもの、ビデオ映像でアニメーションを使った資料により説明した場合の啓発効果を調査した結果、ビデオ映像でアニメーションを使った資料が最も効果が得られることが分かった。
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