研究課題/領域番号 |
12780096
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食生活
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
松原 主典 岡山県立大学, 保健福祉学部・栄養学科, 助手 (90254565)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 緑藻 / Codium cylindricum / 抗凝固活性 / ガラクタン / 酸性多糖類 / 血管新生抑制 / 機能性食品素材 / ヘパリノイド |
研究概要 |
本研究では海藻多糖類の生物活性のうち疾病予防と関連するものに焦点を絞り検討を行った。本年度は、昨年度の研究で見い出した新規抗凝固多糖を大量調製し、その多様な生物活性について詳細に検討した。 1)新規抗凝固多糖の大量調製 昨年度に、緑藻ナガミルに強い血液凝固抑制活性を見い出し、精製後に一般化学組成と各抗凝固活性測定を行った。本多糖の多様な生物活性について検討するために、大型カラムを用いて大量精製方法を検討した。その結果、DEAEイオン交換クロマトグラフィーとゲルろ過により、短時間で数ミリグラムの抗凝固多糖を調製する方法の確立に成功した。 2)P-selectinへのリガンド結合阻害活性の検討 P-selectinは炎症部位において好中球の遊走をもたらすことから、その機能を阻害すれぱ炎症が軽減されることが示されている。また、寝たきり老人などで深刻な問題となっている褥瘡の予防や軽減にも応用できる。そこで、本多糖がP-selectinの主要なリガンドであるsialy Lewis-X糖鎖の結合を阻害できるか検討した。P-selectinは、遺伝子組み換えによりCHO細胞で発現させたものを使用した。競合ELISA法で検討したところ、本多糖類によるsialy Lewis-Xの結合阻害は認められなかった。 3)血管新生抑制作用の検討 ガンの増殖や転移、QOL低下をもたらす糖尿病性網膜症やリュウマチ等の病態悪化に血管新生が深く関与していることが知られており、血管新生抑制物質はそれら疾病の進行抑制や予防に応用できることから高い関心を集めている。そこで、本多糖の血管新生抑制作用について検討した。血管新生測定は、ラット動脈をコラーゲンゲル中で培養する方法により検討した。その結果、本多糖には強い血管新生抑制作用が認められた。これは、本多糖が血管新生抑制作用を有する機能性食品素材として応用することができる可能性を示唆するものである。 本研究により、緑藻ナガミル由来抗凝固多糖は血栓症予防のみならずガンの進行予防にも応用できる新規多機能性食品素材である可能性が示された。
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